こんにちは♪ 英語発音指導士のAkikoです。
さて、私はEPT英語発音テストの対策推薦校の講師として
日々EPTを受験される方のサポートをさせていただいているのですが
「80点台にのるにはどうしたらいいでしょうか」
「90点を取れるにはどれくらいかかるでしょうか」
といったご質問をよくいただきます。
ということで、このEPT英語発音テストについて詳しく書いてみたいと思います。
(文中、下線のついている箇所はclickすると別ページに飛びます)
テストの概要
★ 試験内容
・簡単なQ&A(当日の日付、受験番号など。ここも発音審査の対象 )
・アルファベット読み上げ
・短い会話文の読み上げ
・初見文音読(100ワード強、30秒黙読時間あり)
・国際英語発音協会HPに掲載されている3つの課題文の中から当日指定の1つを音読 ★ 試験方法
Skypeによるオンライン受験、東京大阪での会場(対面)受験
★所要時間
約5~6分
★ スコアと発音レベル
86点~100点・・・指導者レベル
71点~85点・・・ハイレベル
56点~70点・・・英語発話学習者平均レベル
41点~55点・・・英語学習者平均レベル
30点~40点・・・英語学習初心者レベル
それでは、ここから実際どんなことに気をつけて練習をすれば点が伸びるのか
ほぼ毎日EPT対策レッスンを行っている私の目線からお伝えしてみますね。
1、「アクセントの母音」を適当に発音しない
EPTに限らずこれは英語発音の基本ですが、英語はアクセントの音がブレると
本当に通じません。特に母音の区別はとても重要です。
・この人はどこにアクセントを置いているのか
・どの音を出そうとしているのか
が聞いている人に分かる、ということがとても大切です。
EPTの課題文には、その意味も込めてアクセントの位置が紛らわしい
単語がよく入っていますし、当然ながらあらゆる音素がちりばめられています。
特にその中の、内容語(※)のアクセントの母音については、自己流ではなくきっちりと
「ここは /æ/ の音を出してますよ」
「ここは /ou/ だと分かって発音していますよ」
というのが、聞いている人に伝わるような母音であることが望ましいです。
(※内容語・・情報を持った伝えたい言葉。It’s time for breakfast.という文章なら
time, breakfast が内容語)
そのかわり、アクセント以外の箇所についてはさほど気にしなくても、
脱力していてカタカナのような母音が入っていなければ(例えば animal の nimal の部分を
「ニマル」と言ってしまうような発音でなければ)ほぼ大丈夫だと思います。
初見文はどの単語が出るか分からないので日頃からいろいろな文章を読むときに
気をつけておくしかありませんが、少なくとも課題文3つについてはどの内容語も
アクセントの位置と母音の種類をすべてカッチリと洗い出してから練習してみて
ください。(子音はつづりを見ればほぼ区別は分かりますね)
2,語尾子音をなるべく省略しない
これは上級者の方にこそご注意いただきたい点です。
語尾子音を省略するというのは、簡単に言うと例えばマクドナルドのCMで有名な
I’m lovin’ it.
というセリフ。この最後の t を完全に消してしまうようなことです。
「アイムラヴィンニッ」のように。
このようなことは口語的にはよくあることですが、発音検定では不自然に
ならない範囲でできる限りきちんと発音しておいた方が無難です。
ネイティブ並みに上手な方がこのテストを受けられて、ナチュラルスピードで
軽やかに読めたはいいが、結果をみたら「発声すべき語尾子音が聞こえません」
と書かれていた・・というようなこともありました。
実際の課題文の中から例を挙げると
~interesting place to visit. のように文章が終わるときの [t] や[d]はきっちり出すとか
distinguished [ t ]
commemorates [ ts ]
のような過去・過去分詞形、三人称単数の ed や s などを、弱くてもいいから
入っていることが分かるように発音する。もちろん複数形の s は言うまでもありません。
例えば eat them のように 子音と子音がぶつかったときには [t] の音が飲み込まれて
出ないこともありますが、そんな時でも舌先を [t] の場所に持っていっておけば
存在感は出ます。(音でお伝えできないのがもどかしいのですが)
この辺りは出てくる箇所によって一概に言えないところでもありますので難しいのですが
まずは「入っていることが相手にきちんと分かるような発音をする」というふうに捉えてみてください。「口語ではそうだから」といって勝手に省略しない、ということです。
3,L と R はやはり要注意!
EPTで高得点を狙う方でしたら、おそらくもう単体で「Ⅼ」と「R」を発音しわける
のは難しくないと思います。
が、意外に中〜上級者の人でもこの「Ⅼ」「R」で減点されるケースが多いのです。
それは、LとRは出てくる場所によって難易度が変わるからなのです。
例えば「lemon」と言うときは簡単にⅬの音が出せても「California」になると
単語の途中でⅬを出すのでハードルがぐっと上がります。Ⅼを出したつもりでいても、ぼんやりとして輪郭のはっきりしない Ⅼ になっている方はとても多いです。
そうすると相手には日本語の「リ」のような音に聞こえかねません。
EPTではこういう音は「音素が違います」と判定されてしまいます。
かといって、アクセントではない場所で L の音を力いっぱい出してしまうとこれまた
アクセントの位置が不明瞭になってしまいます。(難しいですね・・・)
そうなると、脱力した口でも子音の音が鳴らせる「舌」の力や、いかに速く動かせるか
といったところがまた大切になってくるわけです。
(この辺りは私の著書:「最短で英語発音を変える本」に詳しく書いておりますので
よろしければご一読ください)
同じように、Rに関しても、例えば「red」と言うときとのRと「favorite」の中のRでは
難易度が変わってきます。単語の途中ではっきりとRの輪郭を出すにはコツが必要です。
また、ⅬとRは連続した子音にもよく使われます。class, exactly , celebrationなど。
その時に、Ⅼ やRが日本語の「ラ行」になってしまっている方がとても多いのです。対策としてはご自分で日本語の「ラリルレロ」を発音してみて、どこに舌先が
当たっているか観察する。そして少なくともまず L は舌先をそれより前に持っていく、
Rはそもそも舌先がそこに当たらないように気をつける、といった意識での練習が
有効だと思います。
それからもう一つ!「ダークⅬ」と呼ばれる、語中もしくは語末に出てくる「母音を伴わない Ⅼ 」もあります。
これが語中に出てくると発音がとても難しいですね。例えば、EPT課題文によく登場する
world
children
など。最近では cavelry なんていう難しい単語も出ています。この音も、音は普通のⅬ(ライトⅬ)とはまったく違いますが、やはりⅬの仲間です。これが抜ける方が多くいらっしゃいますので注意が必要です。このように、LとRに関しては減点されやすい項目がたくさんあるので今一度「要チェック」です。
高得点を狙うなら、LとRそれぞれにどこで出てきても、どの種類でも正しく発音できるように日頃から意識しておきましょう。
以上、長くなってしまいましたがEPTで高得点を取るためのポイントを
3点挙げさせていただきました。
とはいえ、このテストは「いかに伝わりやすく自然な発音であるか」というところに
一番の重点がおかれていますので、流れにのってまずは「人に伝える」という英語の、
というより言語の本質を大切に考えていただきたいな、と思います。
そうすれば、受験と通じて単に高得点を取るというよりも、コミュニケーション
ツールとしての英語全体が底上げされることが期待できると思います。
受験される方々を、心から応援しています!頑張ってくださいね。
※参考までに、私なりの課題文を3つ音読した動画を載せておきます。
アクセントを一つ一つはっきりと発音したスロースピードと、流れにのった ナチュラルスピードの二通りで読んでいます。
(筆者ホームページ)
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